エピテーゼ

乳房だけではないエピテーゼ。顔や指の欠損にも広がる自治体の助成制度

エピテーゼは、乳房だけでなく、耳・鼻・指など体のさまざまな部位の見た目を補うもので、2026年には愛知県大府市が、がんの治療を受けた方(治療中を含む)を対象にした補助制度に、顔や指などのエピテーゼを加えました。対象の品目や条件は自治体によって違うため、購入の前にお住まいの区市町村のホームページで確かめましょう。

このコラムのまとめ

  • エピテーゼは、病気や事故、生まれつきの理由などで変化した体の一部の見た目を補います。
  • 大府市では、がんと診断され治療を受けた方(治療中を含む)を対象に、乳房補整具とエピテーゼを別の区分とし、どちらも購入費用の2分の1以内、上限5万円を補助しています。
  • 助成の品目・条件・必要な書類は自治体ごとに違うため、注文や支払いの前に確かめます。

対象の品目、条件、必要な書類は自治体によって違い、どの品目に当たるかは自治体が判断します。購入の前に、お住まいの区市町村のホームページでご確認ください。

エピテーゼは、乳房のためだけのものですか?

「エピテーゼ」という言葉を聞いたことがありますか?乳がんの手術の後、胸の見た目を補うために使う人工乳房も、エピテーゼの一つです。

しかし、エピテーゼが補うのは乳房だけではありません。エピテーゼは、病気や事故、生まれつきの理由などで変化した体の一部の見た目を補う、着けたり外したりできるシリコーン製のパーツです。一般に、乳房・耳・鼻・指・目などの部位のものがあります。

日本ではまだ聞き慣れない言葉かもしれませんが、体の見た目が変化した方の生活を考えるうえで、知っておきたい選択肢です。

2026年、愛知県大府市では助成の対象がどう広がりましたか?

愛知県大府市の「大府市アピアランスケア支援補助制度」は、がんと診断され治療を受けた方(治療中を含む)を対象に、がんの治療による脱毛や、乳房の切除、顔面・手指などの欠損による外見の変化を補う品目の購入費用を、一部補助する制度です。大府市は、2026年6月1日からこの制度の対象にエピテーゼを加えました。市の案内では、エピテーゼを「顔面や手指等の欠損による外見の変化を補う人工の装具」と説明しています。

それまでの対象は、ウィッグと乳房補整具でした。市のページによると、乳房補整具には補整下着、パッド、人工乳房などがあります。一方、新たに加わったエピテーゼの区分は、顔面や手指などの欠損を補う人工の装具を対象としています。

つまり、乳房補整具と、顔面・手指などのエピテーゼは、制度の上で別の区分として扱われています。この違いは、実際に助成を申請するときに大切になります。

大府市の補助額は、いくらですか?

大府市の2026年8月18日更新の案内では、購入費用の2分の1以内で、品目ごとに次の上限額が設けられています。

大府市アピアランスケア支援補助金の対象品と上限額
対象品上限額(購入費用の2分の1以内)
ウィッグ(同時に購入した頭皮保護用ネットを含む)3万円
乳房補整具(補整下着、パッド、人工乳房など)5万円
エピテーゼ(顔面や手指などの欠損による外見の変化を補う人工の装具)5万円(2026年4月1日以降に購入したもの)

補助は1人につき対象品ごとに1回限りで、購入後1年以内に申請します。対象は、大府市内に住所があり、がんと診断されて治療を受けた方や治療中の方など、市が定める条件にすべて当てはまる方です。

これは大府市の制度です。助成の制度があるか、対象の品目や金額は、お住まいの自治体によって違います。

板橋区・練馬区の助成制度では、エピテーゼはどう扱われていますか?

東京都の板橋区と練馬区の助成制度でも、胸部補整具とは別の品目として、エピテーゼが挙げられています。板橋区は「エピテーゼ(人工ボディパーツ)」、練馬区は「エピテーゼ(義眼等の補整用人工物)」と案内しています。上限は、どちらの区も10万円(税込)です。板橋区の制度は、がんや良性腫瘍の治療を行っている方、または過去に行っていた方が対象です。

乳房エピテーゼや人工乳房も対象になる場合がありますが、どの品目に当たるかは区が判断します。購入の前に、お住まいの区のホームページでご確認ください。条件と必要な書類は、区の助成制度のページで表にまとめています。ほかの地域の方は、ほかの区市町村にお住まいの方もご覧ください。

外見の変化への悩みは、人によって違いますか?

乳房を失った方の中には、洋服の胸元が気になる方もいれば、温泉や旅行に出かけるときに不安を感じる方もいます。一方、顔の一部を失った方は、人と向き合って話すときに視線が気になるかもしれません。指を失った方の中には、手元を見られることが負担になり、外出や人付き合いをためらう方もいるでしょう。

もちろん、誰もが外見を補いたいと思うわけではありません。欠損した部分をそのまま受け入れて暮らしている方もいらっしゃいます。大切なのは、外見を補うことを押し付けるのではなく、希望する方が選択肢を知り、必要に応じて利用できる環境を整えることです。

エピテーゼで、何を補うことができますか?

エピテーゼは、失われた体の一部の見た目を補うものです。例えば、乳房エピテーゼで胸元の形を補っても、乳房の組織や感覚が元に戻るわけではありません。指のエピテーゼも、見た目を補うことが目的の製品であれば、失われた指の動きを取り戻すものではありません。

使う目的や製品によって、できることは異なります。だからこそ、「何ができるのか」「何はできないのか」を理解したうえで選ぶことが大切です。着け方や材料、重さ、肌への接触なども、身体の状態に合わせて考える必要があります。

自治体の助成制度は、どのように調べればよいですか?

助成制度を探すときは、「エピテーゼ」という言葉だけで検索するより、「乳房補整具」「人工乳房」「アピアランスケア 助成」なども組み合わせて調べると、情報が見つかりやすくなります。自治体によって、使われる名前が違うことがあるためです。

さらに、助成の対象になる購入の時期、申請の期限、購入先の条件、必要な書類などを確認しましょう。とくにフルオーダーのエピテーゼを考えている場合は、注文や支払いの前に、自治体へ相談しておきましょう。製品が助成の対象になるか、領収書などの書類に何が必要かなど、前もって確かめておきたいことがあります。

エピテーゼを知る人が増えることは、なぜ大切なのですか?

エピテーゼは、必要とする方にとって大切な選択肢の一つです。しかし、その存在を知らなければ、選ぶかどうかを考えるきっかけもありません。

外見の変化に関する悩みは、人に打ち明けにくいこともあります。手術から長い年月がたち、「もう今さら」と思っている方もいるでしょう。それでも、今から新しい方法を知り、暮らしを見直すことはできます。

一人ひとりが、自分らしく暮らすために。エピテーゼやアピアランスケアに関する情報を、もっと多くの方に届けていきたいですね。

よくあるご質問

エピテーゼは、乳がんの方だけが使うものですか?

いいえ。体のさまざまな部位のエピテーゼがあり、病気や事故、生まれつきの理由などで見た目が変化した方が使う場合があります。

乳房エピテーゼにも、助成の制度はありますか?

自治体によっては、乳房補整具や人工乳房、エピテーゼとして、購入費用の一部を助成する制度があり、対象になる場合があります。対象の品目、金額、申請の条件は自治体ごとに異なり、どの品目に当たるかは自治体が判断します。

フルオーダーのエピテーゼは、助成の対象になりますか?

自治体の制度や製品によって異なります。購入の前に、お住まいの区市町村のホームページや担当の窓口でご確認ください。

アポロで相談できること

Apollo medical art では、乳がんの手術の後などに使う乳房のエピテーゼを中心に、ご相談と製作をお受けしています。乳房以外の部位のご相談もお受けしています。鼻・耳・目の周り・指など、補いたい場所とご希望をお聞かせください。製作をお受けする範囲や進め方、費用・期間は、ご相談の内容に応じて確認します。

看護師の鵜澤美保が、乳房エピテーゼのご相談と製作に携わっています。認定NPO法人 乳房健康研究会のピンクリボンアドバイザー上級の認定を受け、乳がんに関する知識を学んでいます。乳がんの手術の後の外見についてのご相談をお受けし、エピテーゼという選択肢を必要としている方に、正しい情報を届けることを大切にしています。

乳房以外の部位のご相談、製品ごとのご案内、ご相談から製作・お渡しまでの流れをご覧ください。

参考にした情報

エピテーゼのご予約とご相談は、エピテーゼ専用の公式LINEとお問い合わせフォームでお受けしています。

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