エピテーゼ

乳がんのホルモン療法が続くときに。体調の相談と日々の暮らし

乳がんのホルモン療法は、手術後も長い期間続く場合があります。気になる症状や日々の負担は医師や薬剤師に伝え、治療を続けながら暮らすための支えを考えていきましょう。

このコラムのまとめ

  • ホルモン療法を行うか、どの薬をどのくらい使うかは、乳がんの性質や身体の状態によって決まります。
  • ほてりや関節の痛みなど、気になる変化は記録し、服薬を変える前に主治医へ相談します。
  • 長く続く治療中も、外出や服装など日々の希望を、ご自身のペースで考えられます。

治療内容、薬の種類、服用量、治療期間は、主治医と相談して決めます。症状がつらいときも、服薬の変更や中断は主治医に相談してください。

手術が終わっても、治療が続くことがあります

手術が終わり、抗がん剤や放射線治療も一区切り。周囲から「治療が終わってよかったね」と声をかけられることがあっても、ご本人の治療は続いている場合があります。

乳がんの性質によっては、手術後も長期間、ホルモン療法を受けるためです。毎日薬を使う生活には、手術を終えた後の気持ちとは別の負担を感じることもあるでしょう。

ホルモン療法とは、どのような治療ですか?

女性ホルモンの働きに関係して増殖する性質を持つ乳がんに対し、その作用や量を抑える薬を使う治療を、ホルモン療法(内分泌療法)と呼びます。

国立がん研究センター中央病院は、ホルモン受容体陽性の乳がんを対象とし、閉経前か閉経後かなどによって使う薬が異なる場合があると説明しています。

術後の治療期間は、5年間、あるいはそれ以上になる場合があります。日本乳癌学会の患者さん向け診療ガイドラインでは、期待される利益と副作用などを踏まえて期間を決めることが説明されています。ご自身の治療期間は主治医と確認してください。

薬を使い続ける中で、気になる変化はありますか?

ホルモン療法中には、ほてり、発汗、関節の痛み、気分の変化などが生じる場合があります。薬の種類によっては、骨の健康にも注意が必要です。症状の種類や程度には個人差があります。

朝の身体のこわばり、夜中のほてり、眠りの悩みなど、日々の不調が暮らしに影響することもあります。周囲からは元気そうに見えても、ご本人が以前と同じように動けず戸惑うこともあるでしょう。

つらさを感じるときは、診察や服薬の相談で伝えてください。長く続く治療には、続けて相談できる相手を持つことも大切です。

診察では、どのように体調を伝えるとよいですか?

いつから、どのような症状が、どの程度あるかを記録すると、医師や薬剤師に伝えやすくなります。

  • 朝の関節の痛みや身体のこわばり
  • 夜間のほてりや睡眠の変化
  • 仕事や家事への影響
  • 症状が続く時間や、日による違い

小さなメモでも、相談の助けになります。症状への対処や治療内容の見直しについては、医療者と一緒に考えていきましょう。

治療が続く間の、暮らしや服装の希望も大切に

旅行に行きたい、友人と食事を楽しみたい、以前のようにおしゃれをしたい。長い治療期間の中で生まれる、そんな気持ちも大切にしてほしいと思います。

乳房の手術後、洋服の胸元や左右の違いが気になるときは、補整下着や乳房エピテーゼを検討する方法があります。乳房エピテーゼ(肌に貼り付けて使う人工乳房)は、体の外側から胸の見た目を補う製品です。

薬による症状への対応は医療者に、エピテーゼについては形や装着感などの希望を担当者に相談しながら考えます。使い始める時期や合う製品は、手術の後の回復や皮膚の状態によって変わります。必要に応じて、主治医へのご確認をお願いしています。

製品ごとのご案内と、ご相談から製作・お渡しまでの流れもご覧ください。

ご家族ができる、日々の支え方

手術や入院のときには周囲の支えが集まっても、その後の通院や服薬の大変さは見えにくいことがあります。

「まだ薬を飲んでいるの?」「もう元気なんでしょう?」。何気ない言葉が、ご本人の負担になることもあります。体調には良い日も、つらい日もあります。

今どのようなことがつらいのか、何を手伝ってほしいのかを聞いてみる。そうした日々の関わりを、ご本人の希望に合わせて続けていくことが、支えになります。

よくあるご質問

ホルモン療法は、乳がんの方が全員受ける治療ですか?

乳がんの性質により、適応が異なります。ホルモン受容体が陽性かなどを調べ、主治医が治療方針を判断します。

ホルモン療法中に、乳房エピテーゼを使う相談はできますか?

はい。使用を希望する場合は、術後や皮膚の状態、装着方法を確認します。使い始める時期や装着の可否は、必要に応じて主治医と相談してください。

アポロからのメッセージ

乳がんの治療には、病院での治療とともに、その後の暮らしがあります。アポロでは、乳房エピテーゼのご相談と製作を通じて、ご本人が望む生活や外見について考えるお手伝いをしています。

参考にした情報

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