訪問マッサージ
「おむつ交換が難しくなってきた」その前に気づきたいこと。寝たきりの方の関節拘縮と身体のケア
寝たきりの状態が続くと、関節の動く範囲が狭くなる「関節拘縮」が起こることがあり、おむつ交換や着替え、手の清潔を保つことが難しくなる場合があります。このコラムでは、小さな変化に気づく視点と、関節を無理に動かさないための注意、主治医や医療・介護の担当者と相談しながら考える身体のケアを紹介します。
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- 株式会社アポロ
お体の変化や施術について気になることは、主治医や医療・介護の担当者へご相談ください。
「最近、母のおむつを交換するとき、足が開きにくくなってきたんです」
「着替えをさせようとしても、腕が硬くて袖が通らなくて」
「股関節がこんなに硬くて、無理に動かしたら骨が折れてしまうんじゃないかと心配で……」
寝たきりのご家族を介護されている方から、このような相談をいただくことがあります。
毎日介護をしているご家族だからこそ気づく、小さな身体の変化です。
以前はもう少し足が開いた。腕も曲げ伸ばしできていた。それなのに、いつの間にか動かしづらくなっている。
こうした変化の背景には、関節拘縮(かんせつこうしゅく)が関係している場合があります。
そして、ここでお伝えしたいことがあります。
関節が硬くなって介護が難しくなる前から、身体の状態に目を向けてほしいのです。
関節は、使わない時間が長くなると動かしづらくなることがあります
私たちは普段、寝返りを打ったり、座ったり、立ったり、歩いたりしながら、自然に身体を動かしています。
しかし、病気や麻痺によって寝たきりの状態になると、自分の力で手足を動かす機会が大きく減ってしまいます。
長い時間、同じ姿勢が続くこともあります。
そうした状態が続くと、筋肉や関節のまわりの組織が硬くなり、関節の動く範囲が狭くなることがあります。
これが関節拘縮です。
例えば、股関節が曲がったまま伸びにくくなる。膝が十分に伸びない。肘が曲がったままになる。手の指が握り込んだ状態になる。
こうした変化は、ある日突然完成するわけではありません。
少しずつ進むこともあるため、日々介護をしていても、初めのうちは気づきにくいことがあります。
困るのは「歩けないこと」だけではありません
関節拘縮というと、歩行や立ち上がりへの影響を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、寝たきりの方にとって、関節の動きは別の場面でも大切です。
例えば、おむつ交換。
股関節が開きにくくなると、足の付け根や陰部周囲を清潔に保つための介助が難しくなることがあります。
無理に足を開こうとすれば、ご本人に痛みを与えてしまうかもしれません。
骨粗しょう症などによって骨が弱くなっている方では、強い力を加えることによる骨折などにも注意が必要です。
また、腕や肩が硬くなると、着替えの際に袖を通しにくくなります。
手の指が握り込んだままになると、手のひらを洗ったり、爪を整えたりすることも難しくなる場合があります。手のこわばりについては、コラム「握ったままの手を、そっと見つめて」でも紹介しています。
つまり、関節の動きは、歩くためだけに必要なのではありません。
清潔を保つこと、着替えること、楽な姿勢で過ごすこと。そんな毎日の暮らしにも深く関わっているのです。
「まだ大丈夫」と思える時期にも、小さな変化があります
訪問マッサージを検討されるきっかけとして、関節の硬さが進み、介護に困るようになったというお話があります。
もちろん、その段階からでも、身体の状態を確認し、できることを考えていくことは大切です。
ただ、関節拘縮が強く進んでしまうと、動く範囲を元に戻すことが難しい場合もあります。
だからこそ、介護が大変になってからだけでなく、まだ大きな困りごとが出ていない時期にも、身体の動きの変化に目を向けていてほしいと思います。
寝返りが少なくなってきた。以前より膝が伸びづらい。着替えのとき、腕に少し抵抗を感じる。
そんな小さな変化に気づいたら、主治医や訪問看護師、ケアマネジャーなどに伝えてください。身体の状態とケアの方法を見直すきっかけになります。
訪問マッサージが担う役割
訪問マッサージは、筋肉のまひや関節のこわばり(拘縮)などがあり、医療上マッサージが必要と主治医が認めた方が、医師の同意のもとで医療保険を使って受けられます。対象になるかは、病名だけでは決まりません。
施術では、筋肉の緊張や関節の動く範囲、痛みの有無などを確認し、無理のないマッサージや、医師の同意の内容に応じた関節への働きかけを行います。
拘縮の進み方は一人ひとり違い、病気の種類や麻痺の程度、姿勢、日常の介助の方法など、さまざまな要因が関係します。
そのため、必要に応じて医師や看護師、リハビリ担当者などとも情報を共有しながら、身体の状態に合ったケアを考えていくことが大切です。
そして、施術者が定期的に身体に触れることには、もう一つ意味があります。
以前より関節が動かしづらくなっていないか。痛みが増えていないか。介助のときに困ることが変わっていないか。
そうした変化に目を向け、必要な対応を考える機会にもなるのです。
無理に動かすことは、決してしないでください
「硬くなると困るから、毎日しっかり伸ばした方がいいのでは」
そう考えるご家族もいるかもしれません。
でも、関節を無理に伸ばしたり、力を入れて開いたりすることは避けてください。
特に、骨粗しょう症のある方や、痛みが強い方、骨折の既往がある方では注意が必要です。
関節が硬くなった原因が、拘縮だけとは限りません。痛みや炎症、骨や関節の病気が関係している場合もあります。
「以前より急に動かなくなった」「触れるだけで強く痛がる」といった変化があれば、無理に動かさず医師に相談してください。
身体のケアは、強く動かせばよいというものではありません。
ご本人の様子を確かめながら、その方に合った方法を選ぶことが大切です。
ベッドの上で手足を動かす方法は、主治医や訪問看護師、リハビリの担当者に相談してください。
寝たきりだからこそ、守りたい身体の動きがあります
歩くことが難しくなっても、身体の動きが必要なくなるわけではありません。
着替えをする。身体をきれいにする。楽な姿勢で眠る。
その一つひとつが、ご本人の尊厳や心地よさに関わっています。
ご家族が「おむつ交換がしづらくなった」と感じたとき、それは単なる介護の手間の問題ではなく、身体に変化が起きているサインかもしれません。
そして、本当に大切なのは、そこまで困ってしまう前に気づくことです。
株式会社アポロの訪問マッサージでは、板橋区・練馬区を中心に、寝たきりの方や筋麻痺・関節拘縮のある方の身体のケアに取り組んでいます。
「まだそれほど硬くないから大丈夫」
そう思える時期にも、主治医や医療・介護の担当者と身体の様子を共有しておくと、今後のケアを考える手がかりになります。
ご本人が少しでも心地よく過ごせること。そして、ご家族が無理なく毎日の介護を続けられること。
その両方を大切にしながら、訪問マッサージの役割を考えていきたいと思います。
訪問マッサージのご相談
医療保険を使う訪問マッサージには、医師の同意が必要です。ご本人の状態や訪問先を伺ってご案内します。
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