訪問マッサージ

たった数センチの段差が怖い。家の中の「つまずき」を、歩く力だけのせいにしない

家の中のつまずきには、足の筋力だけでなく、つま先の上がり方や足首・膝の動き、足裏の感覚、むくみ、時間帯や住まいの環境が関わることがあります。このコラムでは、どんな場面で足が引っかかるのかを見る視点と、住まいの工夫、主治医への相談、訪問マッサージの役割を紹介します。

お体の変化や施術について気になることは、主治医や医療・介護の担当者へご相談ください。

外では慎重に歩いているのに、家の中でつまずいてしまう。

そんなことが、高齢の方や身体に麻痺のある方には起こります。

部屋と廊下の小さな段差。敷物の端。床に置いた荷物。

家族にとっては何でもないものが、ご本人にとっては思いがけない障害物になることがあります。

「こんなところで転ぶなんて、足の筋力が弱くなったのかな」

そう思う前に、知っておいてほしいことがあります。

歩くという動作は、筋力だけで成り立っているわけではないのです。

足を持ち上げるだけでは、歩けません

歩くとき、私たちは足を前に出すだけでなく、つま先を床から離し、足裏から伝わる感覚を受け取り、身体のバランスを取っています。

足首が動くこと。膝が曲がること。股関節が動くこと。

そして、身体が今どのような位置にあるのかを感じ取ること。

これらが組み合わさって、一歩が生まれます。

例えば、脳梗塞や脳出血の後遺症で足に麻痺がある方は、つま先を十分に持ち上げられず、床に引っかかりやすくなる場合があります。

また、足首の関節が硬くなっている方では、歩くときに必要な動きが制限されることもあります。

さらに、足裏の感覚が低下していると、床を踏んでいる感覚がわかりづらくなることがあります。

足のむくみが強い方も、靴が合いにくくなったり、足首を動かしづらく感じたりする場合があります。むくみについては、コラム「足のむくみを『年齢のせい』で片づけないで」でも紹介しています。

つまり、歩行の不安定さには、筋力以外にもさまざまな要因が関わっているのです。

「歩ける」と「転ばずに歩ける」は違います

ご本人が「まだ歩けるから大丈夫」と話されることがあります。

確かに、立ち上がって数歩進むことはできるかもしれません。

でも、途中で方向を変えるときはどうでしょう。トイレの狭い入り口ではどうでしょう。夜中に眠いまま歩くときはどうでしょう。

同じ方でも、場所や時間帯によって危険は変わります。

特に、急いでトイレへ向かうときや、片手に物を持って歩くときには、普段とは違う負担がかかります。

歩ける距離だけでなく、どんな場面で足が引っかかるのかを知ることが大切です。

訪問マッサージが関われる身体の問題

訪問マッサージは、筋肉のまひや関節のこわばり(拘縮)などがあり、医療上マッサージが必要と主治医が認めた方が、医師の同意のもとで医療保険を使って受けられます。脳梗塞や脳出血の後遺症がある場合も含め、対象になるかは、病名だけでは決まりません。

施術では、足首や膝、股関節などの状態を確認しながら進めます。

筋肉の緊張や関節の動かしづらさがある場合には、医師の同意の内容と身体の状態に応じて、マッサージや関節への働きかけを行います。

施術のときは、立ち上がるときや歩くときに、どんな場面で足が引っかかるのかも伺います。

身体のケアと、転びにくい歩き方や住まいの環境を考えること。その両方が必要です。

家は変わらなくても、身体は変わります

以前は何でもなかった敷居が、今は越えにくい。

何年も使ってきたスリッパが、最近は脱げやすい。

夕方になると、足が上がりづらい。

住み慣れた家でも、身体の状態が変われば、同じ場所の危険度は変わります。

敷物を固定する。通り道の荷物を片づける。夜間の照明を見直す。室内履きが足に合っているか確認する。

こうした工夫も、身体のケアと同じくらい大切です。

そして、転倒が増えたり、急に歩きづらくなったりした場合には、病気や薬の影響なども考えられるため、医師に相談してください。

家の中の数歩にも、その人の願いがあります

寝室から食卓へ。居間からトイレへ。玄関まで家族を見送りに。

ほんの数歩でも、その方にとっては大切な生活の一部です。

「危ないから、もう歩かないで」

心配から出た言葉でも、ご本人には寂しく響くことがあるかもしれません。

無理をして歩くことを勧めるわけではありません。

ただ、できることを一つでも大切にしながら、転ばないための工夫と暮らし方を一緒に考えていきたいのです。

株式会社アポロの訪問マッサージでは、板橋区・練馬区を中心に、筋麻痺や関節拘縮などのある方への訪問マッサージに取り組んでいます。

歩くことへの不安が生まれたとき、筋肉や関節の状態を見直すことも、一つの選択肢になるかもしれません。

訪問マッサージのご相談

医療保険を使う訪問マッサージには、医師の同意が必要です。ご本人の状態や訪問先を伺ってご案内します。

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